【特集】自宅売却における仲介と買取りのメリット・デメリット
自宅を売却する際、仲介による売却と不動産会社による買取、それぞれにどのようなメリット・デメリットがあるのか、皆さまはご存知でしょうか。一見複雑に思える制度や流れも、基本の知識から理解すれば意外とシンプルです。仲介の場合は高価格で売却できる可能性がありますし、買取ならば迅速な売却が可能です。しかし、それぞれ時間や費用、価格等に大きな違いがあります。今回はその違いをわかりやすく解説します。
目次
自宅を仲介で売却する時の基礎知識
自宅を売る際、直接買い手を見つけること(個人間売買)は一般的には困難です。そこで、不動産仲介業者を介して販売を行うことが一般的です。しかし、自宅を仲介で売却する際には、どのような手続きが必要なのか、どのような点に注意したらよいのかを知ることは大切です。この記事では、自宅を仲介で売却する時の基礎知識について、売主様の役割、売却の一般的な流れ、そして売却にかかる費用と手間について詳しく解説していきます。
売主とは何か
売主とは、自宅や土地などの不動産を売却する人のことを指します。売主が自分で直接買い手を探すことは稀で、大抵は不動産仲介会社を介して売却を進めます。それぞれの不動産仲介会社には、専門的な知識や経験が求められます。売主自身が全てを管理する代わりに、専門的な知識や経験を持つ不動産会社が、適切な価格設定や広告、交渉などを担当します。しかし、仲介業者を経由しても、売主の意志が最終的な価格や条件を決定する最終的な力となります。
自宅を売却する際の一般的な流れ
自宅を売却する際の一般的な流れは、まず、不動産仲介会社に評価額=査定金額を算出してもらうことから始まります。次に、その評価額に納得がいけば、媒介契約締結へと進みます。契約が成立後は、物件の宣伝や販売活動が進められ、買い手が現れれば交渉が始まります。交渉が成立した場合は、その後の売買契約など手続きを進め、最終的に引き渡しとなります。この一連の流れをスムーズに進めるには、不動産仲介会社との連携が不可欠となります。
※媒介契約(売却の依頼)については、3つの型式があります。それぞれの特徴は一覧表をご確認ください。
売却にかかる費用と手間
自宅の売却には、様々な費用が発生します。まず、不動産仲介会社に支払う仲介手数料があります。
仲介手数料=成約本体価格×3%+6万円+消費税となっており、宅地建物取引業法で受領できる報酬の上限が定められています。
宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(昭和四十五年十月二十三日建設省告示第千五百五十二号)
また、売却により発生する税金も忘れてはなりません。さらに、自宅のリフォームも必要かもしれません。リフォームにより販売価格を上げることができるかもしれませんが、そこにかかる費用と手間も覚悟する必要があります。それぞれの費用をしっかりと計算し、手間を見積もってから売却を決断することが重要です。
その他、売買契約書に貼付する印紙代、司法書士に支払う登記関係費用などがあり、必要に応じて測量費用や解体費用などが発生します。
測量費用(確定測量)については、下記コラムをご参照ください。
自宅を買取で売却する時の基礎知識
自宅を売却する際、買取という選択肢を選ぶこともあります。そのような時に必要なのが買取に関する基礎知識です。多くの人が知らない買取のメリット・デメリット、不動産買取会社(不動産再販業者とも言います)の役割や選び方、買取にかかる費用や期間、そして買取の評価基準や相場について詳しく解説します。前もってしっかりと調べておくことで、自宅をより高く、そしてより早く売却することが可能となります。一方で、情報が不足していると、買取が本当に最善の選択なのか、自宅の価値を正確に評価しているのか確認することが難しくなります。それでは以下で詳しく説明していきましょう。
不動産買取会社の役割と選び方
買取を行う際、重要な役割を果たすのが不動産買取会社です。不動産買取会社は、住宅の買取業務を行い、売主との間に立って取引を進めていきます。そのため、信頼できる不動産買取会社を選ぶことは売主にとって非常に重要となるのです。しかし、不動産買取会社選びには気を付けるべきポイントがあります。一つ目は、会社の信頼性です。インターネットでの評判や口コミなどをチェックし、前向きな評価が多い会社を選ぶと良いでしょう。また、業者が適切な価格で物件を買取るための専門知識や経験を持っているかも確認が必要です。これらを考慮に入れることで、良い不動産買取会社を選ぶことができます。
買取にかかる費用と期間
不動産の買取依頼をするにあたり、仲介業者に依頼をせずに不動産買取会社に直接買取を依頼するケースと不動産仲介業者を介して複数の不動産買取会社に買取を依頼するケースと大まかには、この2つのやり方があります。
仲介業者を介した場合、仲介手数料が発生しますが、不動産買取会社に直接依頼した場合は、仲介手数料は発生しません。概ね売却に掛かる経費は、仲介手数料を除いて、前述の通りとなります。こう見ると、仲介業者を介さない方が、仲介手数料分は得をする様に見えますが、不動産買取会社も海千山千の会社があったり、自社に有利な条件で契約をしようとする会社もあったりして、売買代金に差が生まれることも多々あります。ここは、中立的な立場の不動産仲介業者を間に挟む事で、有利不利のない安心な取引が出来ると思います。
あと、買取にかかる期間ですが、ここは明確に仲介で不動産を売却されるより差が出てきます。スピード買取をモットーにしている会社であれば、『即金で3日以内に買い取ります』など、売却完結までのスピードは断然速いです。
スピード買い取りでなくても、1カ月位で売却は完了するところが多いです。
買取の評価基準と相場
買取の評価基準は、不動産買取会社によって異なりますが、一般的には物件の建築年数、広さ、立地条件、設備の状況などが考慮されます。また、市場の需要と供給のバランスも重要なファクターとなります。これらを踏まえた上で、不動産買取会社が適正な買取価格を提示します。しかし、ここで注意するべき点は、特に市場が不安定な時期には、相場価格よりも低く見積もられる可能性があります。そのため、複数の不動産会社に買取金額の提示を依頼し、それぞれの評価額を比較することが重要です。
自宅を仲介で売却するメリット
自宅の売却を考える際に、せっかくの自己資産をどのような方法で売却するのかは、重要なポイントとなります。自宅を売却する際には、業者への直接買い取りか、一般の買主を探す仲介という二つの方法から選択できると通常は考えられると思います。今回は、その中でも仲介での売却に注目して、そのメリットについて詳しく説明していきます。
高価格で売却できる可能性
自宅を仲介で売却する最大のメリットとして挙げられるのが、高価格で売却できる可能性です。仲介で売却する場合、一般的には業者が直接買い取るよりも高値がつくことが多いです。その理由として、仲介で売却する際には、不動産仲介会社がより広範な買主層に対して物件をアピールするため、需要と供給のバランスにより適正な価格が形成されやすいからです。つまり、自宅の魅力を最大限に引き出すことで、専門的な知識を持つ不動産会社が適正な価格での売却を期待できるのです。あと、仲介での売却は、市場の原理が働きますので、相場というものを一般的に考慮して、売買が成立します。対して、不動産買取は、再販売時において【利益】を生み出さないといけないため、どうしても買い取り価格(原価)を抑える必要があります。
仲介手数料を支払うだけのメリット
仲介での売却は、手数料を支払うことで専門的な知識を持つ不動産仲介業者に売却を一任できるというメリットもあります。売却のための専門的な知識はもちろん、広告活動や法律関連の手続き、買主との交渉など、自分一人では難しいことも多く存在します。しかし、あらかじめ決められた報酬を支払うことで、これらの業務を全て任せられるのです。これにより労力や時間の節約を図ることができるでしょう。
相場価格に基づく公正な評価
また、一般的な売却価格は周辺の不動産市場の相場や土地柄による価格変動を反映しており、仲介を通じた売却では、より公正な評価が行われやすくなります。不動産業者は市場の動向を把握し、その専門的な視点から正確な価格評価を下すわけです。そのため、自宅の価値を的確に反映した売却価格の提示が期待できるのです。このようなメリットを踏まえ、自宅の売却方法として仲介を選択することは、大きな価値ある選択と言えるでしょう。
自宅を仲介で売却するデメリット
自宅の売却を考えるとき、一般的には不動産仲介会社を利用することが多いです。しかし、必ずしも仲介が最良の方法とは限らないのです。仲介にも数々のデメリットが存在しています。仲介によるデメリットといえば、「売却までの時間が長い」「買い手を見つけるのに手間がかかる」「値下げ交渉が必要になる場合がある」などが挙げられます。これらは一見すると些細なことのように感じますが、具体的に見ていくと意外と大きなストレスとなり得るのです。長い時間や手間がかかっても高値で売却することが目的ならば仲介が適していますが、効率性やスピードを求めるのであれば、買取りのほうが適しているかもしれません。
売却までの時間が長い
仲介を通じて自宅を売却する場合、その流れは一般的には「物件を査定する」「物件情報を公開する」「購入希望者を見つける」「契約を結ぶ」「買い手のローン手続きがある」などとなります。この一連の流れには時間がかかるのが普通です。特に購入希望者を見つけるのに苦労するケースがあり、売却までの時間が長引くことがあります。もし売却を急ぎたいと考えているなら、この点は大きなデメリットとなるでしょう。なぜなら、早く売却したいという要望と売却までの時間が長引く現実とは相反するからです。
買い手を見つける労力が必要
仲介で自宅を売却する場合、自宅がどれだけ素晴らしくても、それを伝えるためには適切なマーケティングが必要です。物件情報の公開はもちろんのこと、オープンハウスの開催や専門的な写真撮影など、買い手を見つけるための労力は決して小さくはないでしょう。また、これらの労力を自分自身で行う場合はもちろん時間と労力の二重の負担となります。
値下げ交渉がある場合
また、仲介を通じて自宅を売却する場合、購入希望者が見つかったとしても、価格に関する交渉が必要になる可能性があります。売却額を最大化したい売主と比較的安く買いたい買主との間で、値下げ交渉が発生することは珍しくありません。特に、物件の状態や市場状況によっては、売出価格を維持するのが難しくなるかもしれません。このような交渉過程で、再度負担が増えてしまう場合もあります。
値下げ交渉については、もちろん不動産買取でも発生します。
不動産売却でよく使われる様々な価格の説明は、過去のコラムに詳しく書いておりますので、そちらをご確認ください。
プロが教える不動産売却 査定価格・売出価格・成約価格の相関関係
自宅を買取で売却するメリット
買取方式で自宅を売却する方法は近年注目を浴びています。それは、早期に現金化できるというメリットがあるからです。また、自宅の状態に関係なく、現状のまま売却可能なのです。さらに、売却手続きも簡易的で、売却予定者自身の手間を大幅に短縮することができます。そのため、急いで現金が必要な方や、修繕費用をかけたくない方には特に魅力的な売却方法となります。
迅速な売却が可能
買取方式で自宅を売却する一番のメリットは、その「迅速さ」です。買取だと仲介のように買い手を待つ必要がありません。不動産買取会社が直接買い取るため、売却から代金全額の受領までの日数を大幅に短縮できます。これは大変有効な方法です、たとえば病気や転職など、急な生活の変化に伴い、早期に現金化する必要がある場合などには大変便利です。
物件状態によらず買取が可能
また、状態の悪い自宅も買取が可能という点も、大きなメリットです。一般的に、売却を考える場合、物件の状態改善のために修繕費用が発生します。しかし、買取であれば、修繕する必要がありません。不動産買取会社が現状のままで購入するため、売却する方は修繕費用を心配する必要がなく、そのまま売却することができます。
簡易な手続き
さらに、買取式売却の手続きは、仲介と比べると簡易的です。仲介では、物件情報の公開や買い手探し、契約内容の交渉など、時間と手間がかかります。しかし、買取であれば、不動産買取会社が早期に買い取ってくれるので、手間が省けます。そのため、忙しくて時間が取れない人にとっても有利な売却方法となります。
自宅を買取で売却するデメリット
自宅を買取で売却する際には、その利便性やスピーディーさがメリットとして挙げられますが、また同時にデメリットも存在します。その中でも、買取売却には相場以下での売却になる可能性や、不動産買取会社が一方的に価格を決定すること、更には、不利な条件を付けられる可能性が含まれます。理想的な売却を実現するためには、これらのデメリットを理解し、対策を考えることが重要です。
相場以下での売却になる可能性
自宅の買取売却を考える際、最も気になるのが売却額です。市場価格に比べて、買取価格が下がることがあるため、相場以下での売却になる可能性が出てきます。不動産会社は、利益を出すためとリスクを抑えるために、相場価格よりも低い価格での買取を行うことが多いのです。そのため、物件の価値を適正に評価した上で、最善の選択をするためには、市場価格の調査や複数の不動産会社から見積もりを取るなどの対策が必要となります。
不動産会社が一方的に価格を決定
また、自宅の買取売却は、不動産買取会社が一方的に価格を決定するケースもあります。仲介ではなく直接買い取る形態である買取は、基本的に不動産買取会社が価格設定を行うため、ここには売主の意見が反映されにくいという側面もあります。売却額に納得がいかない場合でも、あれやこれやと理由を付けて、納得をさせようとしてきます。そのため、複数社の見積もりを取得する等、自分の物件をしっかりと理解し、少しでも高値で売却するための対策が必要です。
不利な条件を付けられる可能性
さらに、買取される物件の状態によっては、不利な条件が出てくることもあります。たとえば、物件の修繕が必要であったり、周囲の環境が悪かったりなど、買取業者側が不利と感じる条件がある場合、それらのリスクを回避するために買取価格を下げることもあります。また、速やかに売却をしたいという心情から、条件を飲むこともあるかもしれません。そのため、物件の評価や条件をよく理解し、適切な価格で売却できるよう配慮しましょう。
自宅を売却する時の仲介と買取の比較
自宅を売却する際、一般的に考えられる方法として、自宅を売るために不動産仲介業者に仲介を依頼する方法と、自宅を不動産買取業者に直接買い取ってもらう方法があるとお話ししました。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるので、自分の状況に最適な選択をすることが求められます。ここでは、それぞれの方法について比較検討し、自宅を売却する際の選択肢を多角的に照らしましょう。売却手続きの流れや価格形成、所要時間など、具体的な項目別での詳細を紹介します。
仲介と買取の違い
仲介と買取は、共に自宅を売却する方法ではありますが、それぞれ決定的に違いがあります。仲介は、あなたの自宅を不動産仲介業者が仲介役となって販売し、その報酬として仲介手数料を受け取ります。仲介では市場の需給による相場価格で販売されますが、買い手を見つけ出すまでの時間を要する場合があります。一方、買取は不動産買取業者が直接自宅を買い取る形です。この場合、業者が自宅の価格を一方的に決定します。即売却が可能な一方で、売却価格が相場よりも低くなる傾向にあります。詳しい比較点を次の項目で詳細に見ていきましょう。
どちらが得か計算する方法
仲介と買取、どちらの方法が最終的に得になるかを見極めるには、いくつかのポイントを押さえて計算する必要があります。まず、仲介手数料と買取価格の差分を見比べます。仲介で売却した場合、売却額から一定の割合を業者に支払う必要がありますが、買取の場合、その手数料は発生しません。ただし、買取価格自体が相場価格よりも低い場合が多いので、それを考慮する必要があります。また、売却までの時間や手間も重要な要素となります。仲介は買い手を見つけるまで時間がかかる分、その間に発生する固定資産税などの維持費も計算に入れるべきです。一方、買取はそれらを考慮せずに迅速に売却することができます。
売主が考慮すべきポイント
最後に、売主が考慮すべきポイントについて説明します。一般的に、売却価格と手間を最も重視することでしょう。しかし、売却価格だけを見ると、短期的な視点に偏りがちです。例えば、即時の現金化を優先する場合や、引っ越しや生活環境の変化などにより急ぎ売却を進めたい場合は、買取が有利です。一方、最大限の価格で売却したいという目的がある場合や、時間に余裕がある場合は、仲介が適しているでしょう。また、売却後のサポートやアフターフォローの充実度も重要な考慮ポイントとなります。
まとめと今後のステップ
自宅の売却に関して、仲介と買取のメリット・デメリットについて詳細に検討してきました。それぞれの特徴を理解した上で、自身の状況に応じた売却方法を選択することが、スムーズな売却に繋がるのです。なお、最終的な成功を左右するのは選ぶ不動産会社であり、それぞれの会社が持つ強みと弱みを見極めることが重要です。また、仲介については下取り保証がついているか否かも考慮に入れるべき点です。
自分に適した方法の選択
自宅の売却方法は主に仲介と買取の2つがあります。仲介は一般的には高価格で売却できる可能性がありますが、時間がかかるなどのデメリットも存在します。一方、買取は手続きが簡単で迅速に売却できる点が魅力的ですが、相場以下で売却する可能性もあります。そのため、それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で、自身の状況に合った売却方法を選択することが大切です。自宅の売却は一生に一度か、高額な金額が動くため、じっくりと考える時間を持つことが重要でしょう。
不動産会社選びのポイント
適切な不動産会社を選ぶことは自宅売却の成功を左右します。まず、豊富な物件情報とネットワークを持っている会社が望ましいでしょう。次に、売買を担当する営業の目利きも大切なポイントです。物件の評価を適切に行うことで、高値での売却に結びつきます。また、個々の物件に対してきめ細やかなサービスを提供してくれる会社を選ぶことも重要です。 最後に、信頼できる不動産会社であることを確認するために、口コミや評判をチェックすることも忘れないようにしましょう。
その点においては、松屋不動産販売 家デパ各店は、いつも『迅速な売却』を仲介にて実行しております。
是非、気軽にご相談ください。
下取り保証付きの仲介での売却
自宅売却の際には、下取り保証付きの仲介という選択肢も考慮する価値があります。これは、買い手が見つからない場合でも不動産仲介会社が一定の価格で買い取ると保証する制度のことです。これにより、買い手が見つからず売却が困難になるリスクを軽減することが可能となります。また、下取り保証付きの仲介を取り扱っている不動産会社は、その物件の価値をしっかりと理解しており、適切な価格を設定してくれる可能性が高いです。しかし、全ての不動産会社が下取り保証を提供しているわけではないので、事前に確認を行う必要があります。