旗竿地の魅力と注意点:成功する・・・

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旗竿地の魅力と注意点:成功する土地選びのポイント

旗竿地の魅力と注意点:成功する土地選びのポイント

いつもコラムをご覧いただき、誠にありがとうございます。

松屋不動産販売 家デパの佐伯です。

 

今回のコラムは、【旗竿地(はたざおち)】について、掘り下げていきたいと思います。

 

呼び名を旗竿地と言ったり延長敷地と言ったりしますが、一般的には、『やめといた方がいい』とよく親御さんに止められたりする土地ではあります。

 

実は、旗竿地には、良い旗竿地と悪い旗竿地があり、しっかりと見極めることにより、周辺の土地価格よりもずっとお値打ちに購入する事ができて、建物のプランニングを工夫する事でとても快適な家にする事ができるので、その辺りもご紹介していきたいと思います。

 

 

旗竿地とは?

旗竿地は、一般的な正方形や長方形の土地とは異なり、道路に面して細長い形状の入り口を持つ土地のことです。

 

その名の通り【竿】と【旗】の部分で構成される下図のような土地の事を言います。

 

その特異な形状から【奥まった土地】とは【日当たりが悪い】とかの評価を受けますが、実は独自の魅力があります

 

旗竿地を理解するために、基本的な特徴を見ていきましょう。

旗竿地の図

 

こんな形状の土地見たことありませんか?

いかにも奥まった土地という感じのイラストですが、一言で旗竿地と言っても計上は様々です。間口の部分だけが並列で2台車が停められるようにしている旗竿地、入り口部分は狭いが奥がとても広い100坪超の旗竿地など様々なタイプがあります。

 

旗竿地の基本的な特徴

旗竿地は、主に入り口が狭く、奥に住宅が建てられる程度の広さがある敷地です。

 

この形状は、一般的な土地と比べて独自のメリットデメリットがあります

 

旗竿地の利点とは?

旗竿地にはいくつかの利点があります。

 

例えば、土地価格が比較的安いことや、静かな環境での生活が期待できることや他人の目を気にしなくても良いなどが挙げられます。

 

 

また、路地部分を有効活用したプランニングができるため、オリジナリティあふれる家を建てることができます。

 

 

旗竿地の購入メリット

旗竿地を選ぶ際のメリットは、期待できるポジティブな面がいくつかあります。

 

これらのメリットを理解して、賢い土地選びを心がけましょう

 

期待できるポジティブな面

期待できるポジティブな面として、まずは、価格が一番にあげられると思います。

 

そして、奥まった土地であるので車の音などが届きにくく静かな環境が挙げられます。

 

 

最後に、路地部分を上手に利用して、目線視線を気にすることなく、大開口を設けたり、吹き抜けを設けたりして上空から光を取り込むようなプランニングを考えるのも旗竿地ならでの楽しみであり・魅力であると思います。

 

土地価格の魅力

旗竿地の一番の魅力は、他の土地に比べて比較的安価で手に入ることです。

 

形状が特殊なため、需要が低いことがその理由と言えます。

 

予算に制約がある方にとっては、手頃な価格が大きな利点となります。

 

なぜ?手頃な価格になるのでしょうか?

100坪の土地を分筆して売却する場合

 

元々自然発生的に旗竿地がある訳ではありません

 

土地区画整理事業などでもあまり旗竿地を作ったりはしません。

 

上図のように、宅地分譲をする時や宅建業者が分筆して売却をする時に旗竿地を作ります。

 

間口寸法があり、真っ二つに分筆できれば一番良いのですが、少し間口が足りなければ、奥と手前に分けて分筆をします。

 

 

手前のA区画は少々高くても南向きの土地であれば、土地面積もちょうど良い大きさになったので売れることでしょう。

 

 

逆に、B区画の旗竿地の方は手前のA区画と同価格であれば、なかなか売れないので、値段に差をつけて、お値打ち感を出します

 

そうする事で、A区画にもプレミア感が生まれて、幅広い層に検討して頂けます。

 

私は、宅地分譲もやっていた時期があり良く知っていますが、複数区画の分譲地ですと、売れる順番は、B区画のようなお値打ち区画>一番広い区画>A区画のような普通の区画の順に売れていきます

 

静かな環境での生活

細長い形状故に、通り沿いに住宅が集中し、奥に進むほど静かな環境が広がります。

 

騒音の心配が少なく、穏やかな生活が期待できるのも、旗竿地を選ぶ際のポジティブな要素です。

静かな環境・通行人の視線を気にしない環境

 

強風の時の風の音もあまり聞こえないですし、生活音も届きにくいので、本当に静かな環境で生活する事が可能です。

 

路地部分を活かしたプランニング

旗竿地は、奥に広い敷地がある(プライベート空間)反面、道路に面した部分(路地)を有効活用できる点があります。

 

建物を配置する際に、この部分を工夫することで、他の土地では難しいオリジナリティあふれるプランを実現できます。

 

その部分の長さにも寄りますが、駐車スペースとして使うのはもちろんですが、自転車置き場、物置を置くスペース、ちょっとした家庭菜園など用途は多岐にわたります。

 

 

奥の広い空間は、見せない工夫をすれば、完全なプライベート空間として利用する事ができるのです。

 

このような購入メリットを理解することで、旗竿地での家の建築に対する期待感が高まります。

 

ただし、メリットだけでなくデメリットも理解し、慎重に土地選びを進めていくことが重要です。

 

 

旗竿地購入時のデメリット

デメリットは大きく3つあると考えられます。

 

その3つを解説していきますが、どのデメリットもしっかりと購入時に把握をして、対処すればデメリットではなくなることも十分にありますので、デメリットと対処法をセットで考えて頂きたく思います。

 

注意すべきポイント

旗竿地には購入時に注意が必要なポイントがあります。

 

これらのデメリットを理解し、計画的な土地選びを行いましょう。

 

先に頭に入れておいていただきたいのは下記の3つデメリットです。

  • 日当たりや風通しの悪さ
  • 建築コストの懸念
  • 駐車スペースや車庫入れに制限を受ける

 

如何にその解説と対処法や解決方法、考え方を記載しておきますので、あわせて読んで頂きたく思います。

 

日当たりや風通しの悪さ

旗竿地の特殊な形状ゆえに、建物が道路に遠い位置に建てられることがよくあります。

 

これが原因で、日当たりや風通しが十分に確保できない場合があります。

 

植栽や建物配置の工夫が必要となりますが、そこは設計の腕の見せ所です。

 

遮蔽物の少ない所をしっかりと把握して、開口部を設けて、太陽光を室内に取り込む事も、自然の風を室内に取り込む事も十分に可能です。

 

吹き抜け部分の窓や天窓を取り付ける事でリビング・ダイニングに太陽光を取り込む事は可能です。

 

建築コストの懸念

旗竿地は形状が特殊であるため、通常の土地に比べて建築が難しく、また建築コストがかさんでしまう傾向があります。

 

細長い敷地に合わせた工夫や、特殊なプランニングが必要となるため、建築家や専門家の協力が欠かせません

 

ラフタークレーンをどこに据えるかという事ですが、正直言って、セキスイハイムやトヨタホームのようなユニット工法の建物は、ユニットが大きいので、間口寸法によっては、建築が出来ない可能性があります。

 

それ以外の、柱梁ラーメン構造の建物であれば、上棟工事は可能です。

 

 

但し、コチラも間口寸法による部分が大きく、手組み上棟工事(人力で運んで組み立てる)や建て逃げ方式での上棟工事などを採用すれば、上棟工事費は高くなる懸念があります。

 

奥の敷地が広い場合は、ラフタークレーンを簡単に据える事ができて、特別な工事費は発生しない場合が多いです。

 

クレーンの旋回などの十分なスペースが確保できるかがポイントになります。

 

駐車スペースや車庫入れに制限を受ける

まず、縦列駐車になる事はほぼ必須となります。

 

中には、奥の敷地がとても広く、竿・路地の部分を通路として使い、奥に駐車場を設ける事もあると思いますが、基本は縦列駐車になります

 

あと、路地部分はおおよそ2m~3mの間となりますので、前面道路の幅員が狭い(2項道路)場合は、駐車がやりづらくなります。

 

出来る事ならば、前面道路幅員は6m以上の道路が望ましいです。

旗竿地に駐車することを考えると前面道路は広くないと

 

特に、前面道路幅員が4m未満である場合は、普通車サイズであれば【切り返し】が必要となります。

 

これが毎日となると少し嫌になります。

 

なので、旗竿地の購入を検討する場合は、前面道路幅員をまず確認して下さい。

 

これら3つのデメリットは注意が必要ですが、適切な対策や計画を講じることで、旗竿地でも快適な住環境を実現することが可能です。

 

購入時にはこれらの懸念点を理解し、専門家の助言を得ながら土地選びを進めましょう。

 

 

旗竿地選び時のチェックポイント

ここまでの話しの中で、旗竿地について理解を深めて頂いた事と思います。

 

この章では、買って良い旗竿地と買わない方が良い旗竿地のポイントを整理すると共に検討すべき事項を考察します。

 
買って良い旗竿地

・価格が周辺の相場と比べて割安感がある物件

・人気のエリア内または駅近くの好立地な物件

・前面道路幅員が4m以上、出来れば6mある物件

・路地状部分(竿の部分)が3mまたはそれに近い位ある物件

 
 
買わない方が良い旗竿地

・価格にお値打ち感が無く、周辺と変わらない坪単価・価格となっている物件

・駅やバス停など公共交通機関が遠いまたは市内でも郊外となる地域の物件

・前面道路幅員が4m未満または4m以上あっても適切な空地(ブロック塀などが道路際まである)のない物件

・路地状部分(竿の部分が)2.5m未満の物件

 

※愛知県建築基準条例で路地状部分の長さに応じて路地状部分の幅員が決められています。

静岡県建築基準条例に同様の規定はありませんが、愛知県・静岡県ともに200㎡を超える特殊建築物には、路地状部分の幅員の規定があります。

 

土地探しの成功ポイント

旗竿地を選ぶ際には、成功するためのチェックポイントがあります。

 

これらを押さえながら土地を選ぶことで、より満足度の高い住まいを手に入れることができます。

 

環境の確認

旗竿地を購入する際には、周辺環境の確認が不可欠です。

 

近隣の住宅や商業施設、公共施設などが生活に与える影響を考えることで、より良い環境での生活を実現できます。

 

 

また、将来的な街の発展や変化にも注目しましょう。

 

ですが、商業施設の近くで常に渋滞する道路に面する旗竿地に駐車しようとすると、なかなか大変です。

 

他にも交差点の近く、信号機の近くなども駐車しづらい地域となります。

 

その辺りのリサーチも、休日・平日問わず行いましょう。

 

地価の傾向を考慮

土地の価値は常に変動します。

 

そのため、購入前に地価の傾向を把握することが重要です。

 

特に近隣の土地の取引価格や将来の地価の見通しを確認することで、資産価値の安定性を評価できます。

 

基本的には、旗竿地においては将来的に価値が上がる事は考えづらいですが、将来売却をする事があるのであれば、やはり購入金額は抑えるべきであると思います。

 

少子高齢化社会において、不動産ニーズは減少するはずです。

 

その場合、高い旗竿地が売れるでしょうか?

好立地の物件であれば、可能性はあると思いますが、買い手市場となっている将来の不動産市場では、売れない可能性もあるので、初期投資(購入金額)は抑えるに越したことはありません

 

建築プランの柔軟性

旗竿地は通常の土地と比べて形状が独特です。

 

これにより、建築プランに柔軟性が求められます

 

建築家や設計士と緊密な連携をとりながら、旗竿地に最適な家のプランを検討しましょう。

 

柔軟な発想とプランニングが、理想の住まいの実現につながります。

 

これらのチェックポイントを踏まえ、慎重に土地を選ぶことで、旗竿地でも快適な住環境を築くことができます。

 

自分のライフスタイルや将来のビジョンに合わせた土地選びを心がけましょう。

 

 

まとめ

旗竿地の魅力と注意点を探る旅に、基本的な特徴から購入メリットデメリット、土地選びのチェックポイント、そして成功事例を見てきました。

 

旗竿地は形状が特殊であるため、購入には慎重な計画が必要ですが、その特異な形状がもたらすメリットも多くあります。

 

購入メリットでは、手頃な価格、静かな環境、そして路地部分を活かしたプランニングの柔軟性が挙げられました。

 

しかし、注意が必要なデメリットも存在します。

 

日当たりや風通しの悪さや建築コストの懸念は、計画的な対策が求められます。

 

土地選びのチェックポイントでは、環境の確認、地価の傾向の考慮、そして建築プランの柔軟性が成功の鍵となります。

 

これらを押さえながら進めることで、旗竿地でも快適な住まいを築くことができます。

 

 

最後に、旗竿地は独自の特徴を生かし、予算内で個性的で魅力的な家を建てることができる土地です。計画的な土地選びと柔軟なアプローチで、あなたも理想の住まいを手に入れることができるでしょう。ぜひ、旗竿地の可能性に挑戦して、新しい生活をスタートさせましょう。

 

松屋地所グループでは、注文住宅の部門もあり、Glan-Firstという商品を展開しております。

glan-first

 

土地の購入から注文住宅の建築まで、ワンストップでご計画を進める事が可能です。

 

まずは、松屋不動産販売 家デパに気軽にご相談ください。

 
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