耐震4原則をご存知ですか?

コラム

新築耐震戸建

耐震4原則をご存知ですか?

耐震4原則をご存知ですか?

地震大国『日本』いつ?どこで?起こるか分らないこの自然災害に我々はどう向き合えば良いのか?

 

仕事中や就寝中、ひょっとしたら旅行先で被災するかもしれません。

常に防災頭巾を被り、非常食を携帯し、避難場所から離れない、そんな生活をおくる事はできるでしょうか?

 

そんな生活は窮屈であり実際送る事は出来ないでしょうから、いかに安全を担保していくかを考えていく必要があると思います。

1995年(平成7年)1月17日発生の阪神淡路大震災(図1、図2)で被災し、その後住宅・不動産業界に従事して来た私の経験と知識で、少しでも皆さんの不安を解消できるように話をしていきたいと思います。

 

図1.震災直後の神戸市の様子

 

図2.阪神高速3号神戸線の倒壊の様子

 

今回のコラムテーマ『耐震4原則』をお話しする前に、兵庫県南部地震・阪神淡路大震災を振り返りたいと思います。

阪神淡路大震災は、1995年に兵庫県南部を中心に発生した地震です。

震源地は阪神淡路地域で震度7を記録し、約6,400人が死亡、約43,000人が負傷し、多くの建物が倒壊・火災などの被害を受けました。

 

この地震は縦型地震動によって、高層ビルやマンションなどの建物が倒壊するなどの被害が特徴的でした。

また地震後には停電や断水、道路の寸断などの社会インフラの損壊が発生し、被災者の生活が大きく影響を受けました。

 

阪神淡路大震災は日本の防災意識を高めるきっかけとなり、地震対策法の改正や建築基準法の見直しなどの法制度の改正が進みました。

また、地震に備えた防災訓練の普及や災害時に必要な備蓄品の確保など、防災に対する取り組みが強化されました。

 

そして今を生きる我々は、過去の災害を教訓とし後世にそれを伝えていく義務があります。

 

皆さんご存知の通り兵庫県南部地震の発生時刻は午前5時46分でした。

多くの方が就寝中で、自宅にいる時間帯でした。

今回のコラムでは、前述の『安全を担保する』を地震のシェルターたる『家』に注視して、記述していきたいと思います。

 

 

凹凸が少ない形

凹凸(入隅・出隅)が少ない建物で、簡単に言うと『総二階』の建物がこれに当たります。

入隅・出隅が多くある建物(図3~図8)は、2階の一部がオーバーハングしていたり一部が平家となっており、陰影が出て外観デザインはとても格好いいと思います。

逆に、総二階の建物は凹凸がないので陰影も出ず、のっぺりとした外観になります。

ですが、歴史(震災)が証明している通り総二階の建物は地震に強かったのです。

 

図3.極端な凹凸+壁量の多い部分と少ない部分の混在

 

図4.3連の入隅・出隅+部分平家

 

図5.入隅・出隅+ビルトイン車庫+重たい瓦

 

図6.2階部分オーバーハング+大きな開口部

 

図7.極端な入隅+大きな開口部

 

図8.1階ビルトイン車庫

(この写真は2台分の車庫ですが、関西では1台分で2階3階が住居となっているタイプの家が沢山あります。震災直後に救助活動をしていた時に新しい家でもたくさん倒壊しているところを多く見かけました。)

 

 

関西ではその昔、『地震は来ない、台風はよく来る』と言われており、屋根は台風で飛ばされない様に重い和瓦を載せている建物が多くありました。

結果としては頭の重たい不安定な状態にしていたので、地震の縦揺れ・横揺れに耐える事が出来なかったと思います。

  ※上記の写真の建物が構造上問題ある訳ではありません。適切に構造計算もされている事と思います。 また、住宅メーカーの建物であれば工業化認定の範囲内の建物となるため当然問題ないと思います。あくまでも凹凸がある建物としての一例です。

 

 

筋交いのバランスが良い

 

子供の頃、父親に『建物は南側に倒れるから、他所に行って1階の南側では寝るな』と言われたことがあります。

若干迷信じみた話かなと子供の頃は思っていましたが、歴史的にも関東大震災や阪神淡路大震災で南側に倒れる(倒れ込む)家が多かったのは事実です。

 

これは、南側に大きな開口を設けて壁量が足らない事と北側は開口が無かったり、設備窓(トイレや洗面所、浴室の窓で小さい窓)で開口が小さかったりする為、建物の構造がアンバランス(強い北側・弱い南側)になり、弱い南側へ倒壊する事を戒めた言葉であったのだと推測できます。

(昔の古民家を想像してもらうと分かると思いますが、南側に大きな開口があり、広く長い縁側があるそんな建物をイメージしてもらうと良いと思います。)

 

現代社会においても、南側から日光を取り入れる事は昔と変わりありません。

ですが、地震の水平力を計算して適切にバランスよく筋交いを入れる事によって、そのアンバランスさは解消されます。

 

 

1・2階の壁が揃っている

これは単純に外壁の位置が合う総二階にするという意味ではなく、室内(間取り)において、出来るだけ1階部分の間仕切壁と2階部分の間仕切壁も合わせるという事です。

もちろん1階に広いリビング、2階に細かく間仕切りした子供部屋をプランニングすれば合う訳がありません。

 

100%合わせる事は不可能に近いので出来るだけ合わせる(合っている)ことが大事で、そのようにプランニングするか、中古戸建であれば下記の直下率が高い物件を選ぶことが大事だと思います。

・「二階の柱」に対して「一階の柱」の位置が合っている割合を「柱直下率」

・「二階の壁」に対して「一階の壁」の位置が合っている割合を「壁直下率」

と言います。

 

「建物の強度」を確保するには「柱直下率」では50%以上、「壁直下率」では60%以上必要ということが調査の結果から分かっているそうです。

 

 

筋交いが多い

②では筋交いのバランス良い配置について説明しましたが、筋交いの量が多い事も耐震性を高める上で重要なこととなります。

 

品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)に定める住宅性能評価書において、耐震等級と言う項目がありますが、最高等級の等級3を取得している物件であればバランス良く・筋交いの量も多く配置されています。

ですが筋交いの量が多く入っているという事は、間取り(プランニング)の制限を受ける事になります。

大きい部屋に大きな開口は、等級3では難しくなるかもしれませんので、そこは間取りの自由度を取るか、安全性を取るかになると思います。

 

 

以上が、『耐震4原則』となります。

これから新築する方や新築建売住宅を買う方、中古戸建を買う方も、是非、『耐震4原則』を覚えておいて頂き、判断材料の1つにして頂ければと思います。

 

また、我々松屋不動産販売にご相談頂ければ、土地を購入しての新築、住宅会社選び、中古戸建、新築分譲住宅、中古マンションの購入すべてワンストップで解決できますので、気軽に店舗までお越し頂ければ幸いです。

 

松屋不動産販売株式会社

代表取締役 佐伯 慶智

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