土地購入時に地歴を調べよう
土地・中古戸建・収益物件(一棟売アパートなど)を購入する時、皆さんはどの辺りを注意していますか?
場所や面積、価格や坪単価と言った所に注目しているのではないでしょうか。
もちろんその要素もとても大事な部分になるのですが、今回は少し目線を変えて頂き、『トラブル(図1、図2)を未然に防ぐ』という観点から土地の歴史(地歴)を調査する事をおすすめします。
土地は上から見ただけでは地盤が『強いのか?弱いのか?』分りません。
また、「過去にこの土地がどのように使われていたのか」売主様に確認しても、相続で取得した土地であれば昔の事をご存知ないかもしれません。
図1.液状化現象により隆起したマンホール
図2.2014年に広島で起きた土砂災害の様子
そう言った時のために地歴を調べる方法をご紹介します。
地歴調査の方法は、細かいものを除けば大きく2つあります。
過去に遡り航空写真で確認
国土地理院の地図・空中写真閲覧サービスから過去に遡って、航空写真を追っていく方法です。
1990年(平成2年)5月26日撮影
2006年(平成18年)5月25日撮影
2010年(平成22年)9月4日撮影
(出典:国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスより航空写真【岡崎市滝町周辺】)
分かりやすい様に区画整理事業地内の写真を選びました。
赤枠の団地をランドマークとして見ていきましょう。
その団地南側は、最初の写真では山や山林しか写っていないですが、徐々に宅地造成されていっているのが分かると思います。
地域にもよりますが、古い所では明治時代の航空写真も残っている地域もありますので、購入しようとしている物件(土地・中古戸建など)の地歴を航空写真で確認する事が出来ると思います。
登記簿で確認
登記簿を遡って見ていく事です。(閉鎖謄本を取得する事も有効です。)
現在皆さんが目にする登記簿謄本と言うと、下図のデジタルデータ化※されてからの登記簿が一般的かと思います。
※1988年に登記簿のデジタルデータ化が開始されました。 デジタルデータ化は2008年までに一般的な土地・建物分が完了していますが、その完了時期は法務局(支局)毎に異なります。
このデジタルデータ化以降の謄本は概ね現在事項が記載されていますが、それ以前の登記事項は省略されている事が多いです。
その場合は法務局に行って下図の閉鎖謄本(閉鎖事項証明書、閉鎖登記簿の写し)を取得すると、過去の状況(地目の変更、登記原因日、所有者など)が概ね分かります。
ここで注意して欲しいのは、上記2つの事例謄本はいずれも『宅地』のままであったので問題はないのですが、閉鎖された事項の中に例えば、地目が『池沼』であったり、『ため池』であった場合、それを埋め立てて造られた造成地である事が考えられるので、地盤が弱い(支持層が深い所にある)可能性を考慮しなければなりません。
皆さんも見慣れている地目としては、宅地・田・畑・山林・雑種地が有名ですが、それ以外にも18種類(合計23種類)の地目があります。
この様に購入を検討している物件、売却しようとしている相続で取得した物件などは、しっかりと調査した上で購入・売却を検討して頂ければ『トラブルを未然に防ぐ』ことが出来ると思います。
是非、その時は松屋不動産販売株式会社に気軽にご相談ください。
松屋不動産販売株式会社
代表取締役 佐伯 慶智