住宅ローンを考えよう①

コラム

購入売却ローン

住宅ローンを考えよう①

住宅ローンを考えよう①

新築分譲住宅、新築マンション、中古マンション、中古戸建、土地を購入して新築など、新居をお考えの皆様は、ご自分の予算に合わせて、これらの中からいろんな選択をされていきます。

そして、そのほとんどの方が住宅ローンを利用して、これらの新居を手に入れていらっしゃいます。

 

一言に『住宅ローン』と言っても、検討する材料はたくさんあります。

 

  • ・金融機関(フラット35、民間金融機関、ネット銀行など)
  • ・借入金額(希望額、借入上限金額、返済比率など)
  • ・元利均等返済 or 元金均等返済
  • ・借入期間(年齢からの最長期間、35年間など)
  • 固定金利(3,5,10年、全期間) or 変動金利(半年ごとに見直し)
  • 適用金利(店頭金利、優遇金利、キャンペーン金利など)
  • 返済金額(月々払い、ボーナス払い併用、支払総額など)
  • ・保証料(金利上乗せ方式、一括支払い、その金額など)
  • ・団体信用生命保険(健康状態、持病の有無、引き受け保険会社、がん特約など)
  • ・繰り上げ返済(手数料の有無、繰り上げ方法など)

 

ざっと挙げてもこれ位で、その検討すべき事項は多岐にわたります。

 

コレが正解!という回答が出せれば、一番良いのですが、人それぞれ状況や考え方が違いますので、答えは1つではありません。

このコラムでは、1つの尺度をもって、検証・シミュレーションしていきたいと思います。

 

『住宅ローンを考えよう』第一弾

固定金利or変動金利・その選択と支払総額について考察したいと思います。

 

借入の前提は、

 ・借入金額:3,500万円

 ・返済期間:35年

 ・元利均等返済

としてシミュレーションしていきましょう。

 

例1)フラット35(全期間固定)の場合

 

未だ根強い人気のフラット35(我々も良く利用しています)。

令和5年2月度適用金利は1.88%(諸々の条件、優遇は考慮せず)で35年間返済額・金利が変りません。

メリットとしては、35年(420回の支払い)間の支払いが見えて安心と言う事が挙げられます。

では、Excelで計算して、実際の返済額や返済総額を見ていきましょう。

 

フラット35を利用し、420回支払い終えた場合の総額は、47,795,234円となります。

借り入れた元本は3,500万円なので、その利息は12,795,234円となります。

 

次に、民間金融機関の住宅ローンで、変動金利で計算してみましょう。

 

変動金利のメリットは、何と言っても金利が安い!

店頭金利(変動)2.475%から諸々の条件を満たすと金利を下げてもらえて、優遇金利で0.40%といった低金利での借り入れが可能です(金融機関によります)。

デメリットとしては、半年に一度、金利が見直されますので、金利上昇局面に突入すると支払額が増加していきます。

変動金利は上がらないだろうという思いと、上がったらどうしよう・・・という思いが錯綜します。

 

 

では、金利が上昇するシナリオを2つ用意しましたので、その事例を見て頂き、フラット35と返済総額を見比べていきましょう。

 

例2)民間金融機関の住宅ローンを利用 但し5年毎に金利が0.5%ずつ上昇

 

31年目からの金利は3.40%とフラット35の適用金利(令和5年2月時点)1.88%の約1.8倍になっていますが、支払額は114,764円とフラット35の支払額113,798円と大差はありません。

また、その支払い合計金額も43,952,737円とフラット35の支払総額より3,842,497円も少なくなります。

 

ちなみに、金利(0.40%)が全く上昇せず、そのまま420回を支払った場合の支払総額は37,513,140円となり、元本の3,500万円に対して、利息は、たったの2,513,140円と圧倒的に少なくなります。

 

ではなぜ?

 

例2)のシミュレーション結果で最終金利が3.40%なのにフラット35(金利1.88%)の支払いと遜色がない支払いとなるかと言うと、低金利の時(借入当初から数年間)に元本(借入残高)がドンドン減っていったことが主因となるのです。

本来であれば、元利均等返済は、借入当初は利息が多く、元本への充当割合が少なく、後半からは元本への充当割合が増えてくる返済方法です。

 

例1)の第1回目の支払いを見て頂くと分かり易いですが、返済額113,798円のうち利息が54,833円で元本返済に充てられる金額が58,965円となっており、元本の減りが遅いのが見て分かると思います。(当初金利が高ければ、その差はもっと出ます

 

簡単に言うと、変動金利の方が、最初のリード(低金利)を保って、逃げ切ったという事になります。

 

例3)民間金融機関の住宅ローンを利用 但し毎年金利が0.1%ずつ上昇

 

あまりないケースかもしれませんが、借入から毎年0.1%ずつ上昇するケースについても考察していきましょう。

35年目の適用金利は、フラット35(令和5年2月現在)の金利1.88%の2倍超の3.80%となりますが、支払額は118,520円とフラット35の支払額113,798円との差は4,722円しか変わりません。

また、その支払い合計金額も45,326,873円とフラット35の支払総額より2,468,361円少なくなります。

前節の説明の通り、低金利(0.40%は1年だけ)で少しずつ金利が上昇したとしても、逃げ切った形となりました。

 

 

最後に、繰り返しとなりますが、住宅ローンを検討する上で、何に重きを置くかは、人それぞれです。

今回は、支払総額や固定金利・変動金利に着目してお話をしましたが、事実として、フラット35を扱っているノンバンクに努めている社員の方も、我々、不動産業に従事している者も、住宅メーカーに努める社員の方も多くの方が、住宅ローンでは、変動金利(低金利の商品)を選んでいます。

 

いつ上げるか分からないとは言え、変動金利は1995年から店頭金利がずっと3%以下(現行2.475%)ですし、現行の2.475%も14年ほど続いています。もちろんこの先もずっとそうだとは限りませんが、私も平成22年から変動金利で住宅ローンを借りていますが、当面はそのままで変更する予定はありません。

 

また、売却をお考えの方も【買主様に有利な条件(低金利・優遇税制)である時】に売却する事が、売主様にとっても有利な条件で売却できる時期だと思います。

 

不動産の購入・売却はどんなことでもご相談ください。

ご連絡をお待ちしております。

松屋不動産販売株式会社

代表取締役 佐伯 慶智

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