不動産はナマモノです

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不動産はナマモノです

不動産はナマモノです

今回のコラムは、『不動産はナマモノです』でお届けしたいと思います。

 

このタイトルを書いた時、昔、タレントの若槻千夏さんがブログの女王と言われていた時代、彼女の公式ブログが『マーボー豆腐は飲み物です』だったのを思い出しました。

当時は、『えっ?この人は何を言っているのだろう?』とついつい見てしまったものです。

2000年代初頭の話なので、全く知らない方も多いと思いますが、しみじみと時代を振り返ってしまいました。

 

さて、なぜ?このようなタイトルにしたかと言うと、2000年代初頭は、私も若く、営業をバリバリとやっていた時代で、その当時の店舗責任者である所長に、『不動産はナマモノだから、(売主様の為に)早く売ってあげなさい』とよく言われていました。

当然、不動産が生鮮食料品である訳もなく、要約すると、『不動産は、鮮度が大事だから、鮮度が落ちる前に、売却を完了しなさい』という事です。

では、具体的に鮮度が大事というのはどういうことか?2つの円グラフを見比べてもらえれば、一目瞭然かと思います。

 

前提条件:東海圏における不動産で、物件の種別(土地・戸建・マンション・収益物件)を問わず、算出しております。

但し、仲介物件に限り、新築建売分譲等の宅地建物取引業者の販売物件は含んでおりません。

 

最初のグラフは、売却に出してから成約まで1カ月以内であった物件の価格がどうであったかを示しています。

  •  価格の
  •  ・乖離率0%(要は満額で決着)が約3割
  •  ・乖離マイナス 5%以内が4割弱
  •  ・乖離マイナス10%以内が約2割
  •  ・乖離マイナス20%以内が1割弱
  •  ・乖離マイナス20%超が数%程度

このような結果となっています。

 

実に、7割程度の物件(赤色の部分で黄色の矢印が回っている部分)が売出価格または若干の価格交渉(5%以内)で成約に至っています。

 

これとは逆に成約までに1年を要した物件については、どうであったかと言うと・・・

  •  価格の
  •  ・乖離率0%(要は満額で決着)が約1%
  •  ・乖離マイナス 5%以内が1割強
  •  ・乖離マイナス10%以内が2割強
  •  ・乖離マイナス20%以内が4割弱
  •  ・乖離マイナス20%超が3割弱

 

乖離率毎の色分けは同じにしてありますが、その分布・割合が大きく様変わりしているのが、分かると思います。

(上図では赤の分布が多く、下図では緑の分布が多い)

売り出してから約1年経過した物件については、売り出し価格から2割前後値段を下げて成約に至った物件が、実に7割近くになっています。

また、少々酷な話かもしれませんが、価格を変えずに売れた物件は1%程度にまで減っています。(実に100件中1件という割合です)

 

 

この事象を、多くの生鮮食料品を取り扱うスーパーマーケットで例えると以下の様になります。

朝開店時には、多くの生鮮食料品が陳列され、その価格はもちろん定価で販売されています。

 

但し、夕方になり、買い物客もひと段落してくると、調理・加工して時間が経過していますので、同じ商品でも、いわゆる『おつとめ品』として店頭に並び始めます。

 

これは、不動産(土地・戸建・マンション・収益物件問わず)も同じです。前回のコラム(※『不動産一括査定サイトの功罪について』をご参照ください)でもお話ししましたが、例えば、査定価格の130%・140%といった売出価格にすれば、当然の事ながら、成約に時間が掛かってしまいます。時間が掛かれば、金額を下げて市場価格に近付けていかないといけません。5%ダウン、10%ダウン・・・と繰り返して行けば、いつかは売れるでしょうが、時間が掛かります。(そうならない様に『売り出し価格』は、慎重にお決めになる事をお勧めします)

 

まさに『時は金なり』(Time is money)です。当時の私の上司は、この事を強く戒めていたのだと思います。そして、私もそれを伝えていく立場となっておりますので、小職の部下に伝えていこうと思います。

 

松屋不動産販売株式会社

代表取締役 佐伯 慶智

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