タワーマンション入居後に気付いた事
タワーマンションは、1997年の建築基準法の改正で共用部が延床面積に算入されなくなった事と日影制限の緩和を受けて一気に広がりを見せました。
タワーマンションの定義に明確な基準はありませんが、目安としては、高さ60m以上で20階建て以上がいわゆる『タワーマンション』として考えてられています。
多くのマンションを取引させて頂いた中で、特にタワーマンションをご購入、ご入居頂きましたお客様の
『入居後に気付いた事』(生の声)を、今回はお届けしたいと思います。
目次
風が強すぎて窓が開けられない事が多い
遮蔽物が少ない上空では、地上で吹く風とは比べものならない位、風が強く吹きます。
また、高層の建物が立ち並ぶところでは、その建物と建物の間をすり抜ける風がエネルギーを増して、突風となることも良くあります。
元々タワーマンションの上層階はFIX窓(別名で「はめ殺し窓」と呼ばれることがあり、開閉ができない窓のことです。)も多く、開閉する事も少ないですが、開けた瞬間に部屋に置いているあらゆるものが宙を舞うなんてことも起こります。
窓面が多く、眺望は抜群であるが、家具の配置が難しいのと、開口部からの日射・冷気により冷暖房費が意外とかかる
眺望の良さも特徴の一つであるタワーマンション。
眺望を良くするために当然開口部が多くなります。
開口部が多くなれば、それだけ家具を設置する壁面が減り、家具のレイアウトに苦心します。
また、鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造の建物は、気密性が高く、熱容量が大きいので、長く熱を保つことができ冬は暖かく、また、断熱性も高いので、夏は、窓を開けて風を取り込めば、真夏を除いて、エアコン掛けなくても過ごせます。
このようなコンクリートの建物であるタワーマンションですが、熱損失の高い開口部が多くあると、必然的に冬寒く、夏は窓も開けづらいので、ついついエアコンを付けてエアコンの光熱費は上がってしまいます。
エレベーターの朝の混雑ぶり
通勤時間帯は、各階停止のエレベーターとなり、1階まで下りるのに、思った以上に時間が掛かる。
タワーマンションで設置されるエレベーターは、高速エレベーター(分速150~250m)が採用されているのですが、一気に1階まで運転されれば、快適なのですが、朝の通勤時間帯は各階でエレベーターを呼んでいるため、各階停止となってしまいます。
もちろん、エレベーターを複数基(90戸~100戸に1基の割合)設置、または、上層階専用のエレベーター(21階以上専用など)を採用しているマンションもあるので、全てのタワーマンションが渋滞するとは限りません。
1階に降りるのが面倒になり、外出する事が減った
朝の混雑ぶりを経験し、1階まで下りたはいいが、携帯電話を忘れて、もう一度自宅に戻り、再度各階停止のエレベーターに乗る。
こんな経験から、ついつい出不精になってしまう。
賃貸住まいだった時は、レジャーに、キャンプにと週末は良く出かけていたが、最近は、新型コロナウイルス感染症で在宅勤務となり、家を出るのは何週間ぶりなんてことも・・・
やっぱり管理費が高いと感じてしまう
『成功者の証』と思い、タワーマンションを購入したが、共用施設維持管理額(コンシェルジュサービス、入居者用のサロンやトレーニング施設、来客用宿泊ルームの運営費等)が、これらの施設を利用しないとどうしても高く感じてしまいます。管理費が・・・
過去のお客様全員が、タワーマンション購入に満足はされているのです。
多少ネガティブなご意見を多く記載させて頂きましたが、以上の事が分かっていたら買わなかったという方はいらっしゃいません。
と言うのも、タワーマンションへの憧れや、その眺望、ステータスなど多くのモノを叶えられる。
それが、タワーマンションだったという事です。
購入するに先人の意見を聞くことも実は大切な事です。
購入する前から何となく分かっていた事、やっぱりと気付く事、これ程までは・・・と思う事、捉え方は、人それぞれですが、今後マンション・タワーマンションを購入しようかな?と思っていらっしゃる方は、先輩入居者の方のご意見を参考に、物件の購入をご検討ください。
松屋不動産販売株式会社
代表取締役 佐伯 慶智